ただの備忘録

だいたい独り言

「進撃の巨人」はロボットアニメなんだという倒錯者の世迷言

進撃の巨人」最終話を読んだ

めちゃめちゃ綺麗に終わらせたなーって感想だけども正直、もっと投げっぱなしでも良かったのに!(そっちの方が狼狽えるオタクが見れて楽しいから)って気持ちもあった

僕自身、世間的な盛り上がりが一段落してからハマったクチなので、一丁前に後方ファン面するのも烏滸がましいくらいなんだけど、ここ半年くらいの展開は本当に面白くて、どうやって畳むんだろうと気が気がじゃなかった

そう、僕は最初のTVアニメをリアルタイムで見ていないし、ましてや盛り上がる世間一般の人々をやや冷めた目で見ていた側の人間だった

 読んだら面白いんだろうなーとも思うけど読むモチベーションも無いし、人間と巨人の生存競争という構図にもあまり惹かれないしで、 終ぞ学生の頃は触れる事も無かったように思う

 

転機はそれからしばらく経って、TVアニメの2期が放映された頃だった

たまたまたテレビを点けたら流れていたのを、興味本位で見たのが切っ掛けだった

丁度アニメではウォールローゼが突破され、獣の巨人が登場し、そしてライナーとベルトルトが知性巨人である事が判明する、作中屈指の山場

そして流れるように繰り広げられるエレンとライナーによる巨人同士の激戦の最中—僕は思った

 

ロボットアニメだこれ!!!!!!!!!!!

 

そう、進撃の巨人はロボットアニメだったのだ

何言ってんだこいつと思われるかもしれないが、間違いなくロボットアニメだった

知性を持った巨人同士による格闘戦も、巨人と化したエレンと意思疎通を試みるハンジの体躯の対比も、そもそも巨人を内側から人間が操っているという構図そのものが、ロボットアニメで死ぬほど見たモノに他ならなかったからだ

僕はびっくりした、なんでみんな早く教えてくれなかったんだ!!!!!!!!!と

次の日、急いで本屋で既刊を買い漁り、1週間で読破した後、気づきは確信に変わった

この作品は意図的にロボットアニメの文脈を取り入れてるんだと

 

常日頃、ロボットアニメが毎クール50本くらい作られる世界になんねぇかなと妄想してる僕ですがまぁ無理だよなとも思う常識的な一面もあるのです

何故なら一般的にはロボットアニメはニッチなオタク向けジャンルだから

そんなことねーよと思う諸兄も多いとは思うのだけど、世の中「SF」「メカ」「ロボット」の文字を見た瞬間に興味ねーわと吐き捨てる人々は意外と多い

まぁ俺だって「ジャンル:日常系美少女アニメ」の並びを見た瞬間にあっ、間に合ってますってなっちゃうしその辺はまぁしょうがないとは思う

そういう事態を制作側もある程度把握している為に「普段ロボットアニメを見ない層にリーチしたい!」という目的の元、事前情報では伏せておいて1話終盤に唐突にジャーン!実はこの作品はロボットアニメでしたー!というサプライズをかます作品がごく稀にあるのだけど、そんな事したら余計に忌避感増すだけでは?????ってなるしそういう作品はだいたいそっぽを向かれるという現実がある

 

そこで進撃の巨人である

この作品、巨人と人間の関係がそのままロボットアニメにおけるロボットと人間の構図であり、その要素が強く現れるのが作品も中頃を過ぎた辺りである為に、巨人に立ち向かう人類のお話を見せられていた読者は知らず知らずのうちに要素が置き換わったロボットアニメを見せられているのだ

この「置き換わった要素」というのがまた見事で、ロボットを描く上では避けられないメカディテールのような、作画カロリー的に忌避される部分などを上手く挿げ替え、負担を減らすと同時に、読者に対し広く受け入れられやすい表現や設定を用いて作品を構築している

多分、諌山先生は僕のように三度の飯よりロボットアニメという人類ではないので、もっと客観的かつロジカルな作品作りをしていると思うのだけど、現状ここまでロボットアニメのフレーバーを用いりながらも、多くの人々に受け入れられる漫画作品というのは唯一と言ってもいいレベルなのではと勝手に想像している

 

という事はつまり、進撃の巨人は(おそらく)世界で最も触れられ、盛り上がったロボットアニメなのだ

何を言ってるかさっぱり分からないと思うけど僕も分かりません

ただ考えれば考えるほど、今後ジャンル外におけるロボットアニメのフレーバーを取り入れた作品は「進撃のパクリ」扱いになってしまうレベルで完成度の高い作品だと思っているので、それはそれでちょっとヤバイんじゃないかと思いました

 

終わり